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Archives 〜 06.10.25 上野で木版画家の井野英二さんに会う

上野で木版画家 井野英二さんに会う

井野さんと上野で待ち合わせる。
昔買った僕のアルバム「シルクスクリーン」を会う前に聴いてきたそうだ。


|購入した「始発駅」「ビヤホール」2点の版画。
10版以上の版を積み重ねて刷られている。


以前描いていた油絵の写真を見せてもらう。
それでこんな版画が・・・納得。

最近また絵を描き始めた。以前にも気が向くとスケッチブックを開いていた。その度に画材を買い求めていたので、いつの間にか画材だけは揃っている。今は主に水彩絵の具を使って描いている。
 描いているうちに、この絵の具を使って木版画を刷ってみようと思いたった。彫刻刀で下絵に沿って版木を掘り、絵の具を乗せ紙をあてバレンで擦る。こんな事をするのは小学生以来だろうか。とても楽しい、でも、なかなか上手くいかない。 刷り上げた版画を横目で見ながら、インターネットで木版画を調べてみた。調べているうちに一人の作家のホームページに目が止まった。作家の名前は井野英二。興味を持った僕は連絡を取り、上野で井野さんに会う事にした。

井野さんは僕とは同世代。東京の葛飾出身だが現在は茨城に住んでいる。ホームページで拝見し特に気に入った2点の版画を購入した。井野さんの版画を見て感じたのは、その色使いや画面構成がとてもモダンなことだ。それは僕が木版画に抱いていた今までのイメージを変えるものだった。木版画の前は長年油絵を描いていたという井野さんの経歴を聞いて、それがこのモダンな木版画を作らせているのではないかと思った。
 僕も東京出身ということもあり、日々変化する東京の風景を作者の目で切り取り、新旧風景を組み合わせた「東京進化論」の版画はとても興味深かった。

 井野さんと話していて、ものを作り出す一途さに(不器用で、ある意味意固地な部分も含めて)とても共感するところが多かった。そして「これから歳を重ねていくには、どうやって生き延びていくかでなく、どうやって楽しんでいくか、なんだな」そんなことが頭をよぎった。

'06 Oct


井野英二 そのばしのぎ社
http://www.sonobasinogisya.com